パート保育士の年収の壁2026|178万円・136万円・週20時間・130万円
2026年は年収の壁が大きく動きます。所得税178万円(2026年分)、扶養控除136万円、106万円の賃金要件の撤廃予定(2026年10月)、130万円の契約ベースの判定(2026年4月〜)を、パート保育士の時給で計算します。
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- 所得税がかからない上限は2026年分から178万円(2026年12月1日施行。年末調整でまとめて反映)
- 家族の扶養控除・配偶者控除の対象は年収136万円まで(2026年分から)
- 社会保険の「106万円(月8.8万円)」の要件は2026年10月に撤廃予定。51人以上の園などでは「週20時間」が目安に
- パート保育士の平均時給(1,419円)だと、週20時間で年約147.6万円。130万円の扶養を超える計算
パートで保育の仕事をするとき、気になるのが「年収の壁」。2025〜2026年に税と社会保険のルールが続けて変わり、「103万円」「106万円」の話はもう古いところもあります。2026年9月時点のルールを、パート保育士の時給で具体的に見てみましょう。
2026年の年収の壁 早見表
| 壁 | 何が起きる? | いつから |
|---|---|---|
| 約110万円 (住民税・2026年度分) | 超えると住民税の所得割がかかる(単身の場合)。均等割は市区町村によって約103〜110万円から | 2026年度分(2025年の収入) |
| 136万円 (扶養控除・配偶者控除) | 超えると、家族が受ける扶養控除・配偶者控除の対象外に(配偶者は169万円まで配偶者特別控除が満額) | 2026年分から(2025年分は123万円) |
| 178万円 (本人の所得税) | 給与収入だけなら、ここまで所得税がかからない | 2026年分・2027年分(2026年12月1日施行。2025年分は160万円) |
| 週20時間 (社会保険) | 従業員51人以上の勤め先で週20時間以上働くと、厚生年金・健康保険に加入(学生を除く) | 月8.8万円の賃金要件は2026年10月に撤廃予定。会社の規模の要件は2027年10月から段階的に縮小 |
| 130万円 (家族の社会保険の扶養) | 見込み年収が130万円以上になると、家族の健康保険・年金の扶養から外れる | 2026年4月から、契約内容で見込む年収で判定できるように |
「収入」の数え方は壁ごとに違います。税(110万・136万・178万円)では非課税の通勤手当を含めません。130万円の扶養の判定では通勤手当を含めます。所得税の178万円は2026年分・2027年分に限った措置で、2028年分以後は物価に合わせて見直すしくみになっています。
パート保育士の時給で計算してみる
賃金構造基本統計調査(2025年)によると、短時間で働く保育士の1時間あたりの給与は1,419円です。この時給で、それぞれの壁に届くのは週に何時間働いたときでしょうか(52週で計算、通勤手当・賞与・残業は含めない単純な計算)。
| 壁 | 週あたりの時間の目安 |
|---|---|
| 住民税 約110万円 | 約14.9時間 |
| 130万円(社会保険の扶養) | 約17.6時間 |
| 136万円(扶養控除・配偶者控除) | 約18.4時間 |
| 178万円(所得税) | 約24.1時間 |
時給1,419円で週20時間働くと、年収は約147.6万円。社会保険に入る「週20時間」に届く前に、家族の扶養の「130万円」を超えてしまいます。勤め先が社会保険の対象にならない規模だと、扶養から外れて国民年金・国民健康保険を自分で払うことになる場合があります。
時給は園や地域で違います。自分の時給で計算し直してみてください。
2026年4月から: 130万円は「契約書」で判定できる
2026年4月1日以後に扶養に入る場合、労働条件通知書などの契約内容から見込む年収が130万円未満で、給与以外の収入がなければ、原則として扶養に入れるようになりました。契約にない臨時の残業で結果的に130万円を超えても、社会通念上妥当な範囲なら扶養は取り消されません(どこまでが妥当かの金額の基準は示されていません)。
ただし、次のような場合はこの判定を使えず、給与明細などで判定されます。
- 「シフト制による」など、労働時間がはっきり書かれていない契約
- 「通勤手当あり」とだけあって、金額が分からない
- 契約期間が1年未満、または給与以外の収入(年金など)がある
- いくつかの職場で働いていて、すべての契約書がそろわない
保育園のパートはシフト制が多い仕事です。扶養の範囲で働きたい人は、契約書に週の所定労働時間と通勤手当の金額を書いてもらえるかを、入職前に確認しておきましょう。
「壁を超えて働く」のも選択肢
社会保険に入ると保険料の負担が増えますが、将来の厚生年金が増え、病気で休んだときの傷病手当金などの保障も受けられるようになります。厚生労働省の試算では、年収106万円の人が扶養から社会保険に加入すると本人負担は月12,500円、20年加入すると年金が月8,800円(終身)増えるとされています。
どこまで働くのが得かは、家族の収入や勤め先の家族手当の条件などで変わります。迷ったら、勤め先の担当者や年金事務所、税務署に相談してください。
お試し勤務のときに確かめたいこと
- 週の所定労働時間は何時間で、契約書にどう書かれるか
- 行事や年度末に残業が増える時期はあるか
- 従業員数(社会保険の適用の対象になる規模か)
- 扶養の範囲で働く人がほかにもいるか、シフトの相談はしやすいか
出典・参考にした資料
- 源泉所得税の改正のあらまし 令和8年4月(国税庁, 2026年4月)
- タックスアンサー No.1191 配偶者控除/No.1195 配偶者特別控除(国税庁, 令和8年4月1日現在法令等)
- 所得税は非課税でしたが住民税は課税になりました(FAQ)(東京都武蔵野市, 2025年12月)
- 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大(日本年金機構, 2026年4月更新)
- 短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント(厚生労働省, 2026年1月)
- 年金制度改正法の概要(主な改正内容・施行日)(厚生労働省, 2025年)
- 労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて(日本年金機構, 2026年5月)
- 労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&A(厚生労働省, 2026年)
- 令和7年賃金構造基本統計調査(厚生労働省, 2026年3月)
数字と制度は上の資料をもとに2026年9月時点でまとめています。制度は改正されることがあり、自治体・勤務先によって条件が違います。実際に使うときは各窓口で最新の情報を確認してください。